Intended purpose :Residence
structure: R.C.structure
Number of stories: 3
site area : 557.59sqm
Total floor space : 325.71sqm
Location : HIROSHIMA
completion date :2020.02
Construction:下岸建設株式会社
structural design : Q & Architecture 中原英隆
garden-build : WA-SO design
Photographer : 笹の倉舎 笹倉洋平

古い町並みが残り住宅が密集する周辺環境の中、本計画敷地の道路向かいにある公園が地域の貴重な余白となっている。当該地域にあって隣接する賃貸住宅を含め広大な敷地を所有するクライアントから、住宅として高い品質と同時に周辺環境にも配慮した設計を求められたことを背景に今回の設計に至った。住宅設計においてクライアントの多くがプライバシーを確保しつつ内外の空間の繋がりを求めている。建築を開放するための開口部と、プライバシーを守るための塀を、この計画ではそれぞれを別のモノとして扱うのではなく、一つの建築とする事で開放とプライバシーという相反する要望に応えた。
隣接する賃貸住宅、道路向かいの公園や敷地裏手の道路など周辺の視線からプライバシーを確保するため開口は最小限にとどめ、吹き抜けやバルコニー、庭から光を取り込む計画とし、構造は階高や室内のスパンの確保からRCが最適と判断した。しかしRCは単色で均一な素材であるため、今回のように開口部が少ない設計となると、単調で鈍重な建築となってしまう。そこで2階をずらし、採光とプライバシー確保の為設置した2階の大きな吹き抜け部分に杉型枠で表情をつけ、なおかつ大きく角度を付けたことで、2階部分が軸を中心に旋回しているような表現を与え、重厚であるがどこか軽やかさを感じる建築に仕上げた。外構が建築をつくり、内外共に建築としての空間化が図られ建物の余白から木々が見える事により周辺と調和し外からも中からも楽しめる住宅となっている。

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